我が愛すべき「ハジ・レコ(初めて買ったレコード)」

 その昔、「Beep」というゲーム雑誌があった。時はファミコン全盛期(1985〜6年頃)。その頃、小学生だった私は御多分に漏れず、ゲームの魅力に取り憑かれていた。


 当時の情報源といえば「ファミ・マガ」がもっぱら(他にも、攻略本もたくさん出ていたが、旬な情報ではなかった。あとはジャンプの袋とじ(これは有名!!!買わずに覗き見た記憶が・・・)。「ファミコン必勝本」、「マルカツ・ファミコン」、「ハイスコア」とかもあったねー。「ファミ通」は意外にも後発組であった)であったが、当方、ファミコンのみの情報では少々食い足りず、そして、そもそも、本流よりも傍流、本道よりも路肩(?)、日の当たる大通りよりも日陰の道を選んでしまう性分がなせる業なのか、あまり人が買っていなさそうな雑誌を愛読していた(小学校低学年の頃も、「てれびくん」(小学館)や「テレビマガジン」(講談社)よりもマイナーな「テレビランド」(通称「テレラン」。秋田書店)を自覚的にチョイスしていた。俺の「こだわり」・笑)。そのため、メジャー感のある雑誌は買う気までは起きず、買わずに立ち読みで済ませていた。


 そこに、「Beep」の登場である(私が存在を知った時は、創刊後、しばらく経った時だった)。


 この雑誌は、ファミコンはもちろん、パソコンゲームアーケードゲーム、そしてファミコンのライバル機であるセガコンシューマーゲーム、そしてそしてボードゲームと、広範囲にわたるゲーム情報が網羅的に掲載されていた。「こんな雑誌が読みたかった!!!」と、小学校高学年に差し掛かった私は狂喜し、一字一句、それこそ広告までも舐めるように読み込んだのを思い出す(ちなみに、みうらじゅんを知ったのもこの雑誌からである。昔から芸風(?)は変わらず・笑、小学生的にも気になる存在でした・・・そして時は過ぎ、再び氏と出会ったのが「宝島」を読んでから。イカ天に出てた少し後ですね。やっぱ変わってなかった・笑。私は今でも変わらず普通にファンです。氏を見るとなぜか安心する・笑)。


 そして、今回の主題である「ハジ・レコ」の話となるわけである(前置きが長いね・苦笑)。要するに、「Beep」を購読するようになりしばらくした時、セガゲーム音楽ソノシートが「ふろく」として付いてきた訳だ。早速カセットテープに落して聴きまくったが、もうそれはいたく感動した!!!「スペース・ハリアー」に心踊り、「カルテット」で”ファンキー”の意味を知り、「ファンタジー・ゾーン」のエンディング曲で涙した。はやく続きが出ないものかと心待ちにし、「ふろく」に付くと、大切に聴いた(セガの他に、コナミタイトーナムコなどの作品も出された)。このBeepの「ふろく」である、ゲームミュージックソノシートは、まさに私の音楽の原体験のひとつである。


 その、私の「ハジ・レコ」であるソノシートが、今年の3月に、めでたくも再発したのである!!!それも、「Beep復刻版」という形で(ソノシートからCDとなったが、今回も「ふろく」である・笑・というか涙・・・)!!!まったく、長生きはするものである(そんなジジイではないが・笑)。再び聴いたが、やっぱり最高だった!!!それらは、作者それぞれで作風が違えど、おおむね1980年代のエレポップ、フュージョン、ブラコン的要素が混在する音楽性であり、稚拙さや下世話な部分も含みながらも「ゲーム・ミュージック」という独自の音楽に昇華し、ただのBGMではなく、きちんと作品として成立させているところが素晴らしく、一聴に値するのである(ここには入っていないが、任天堂やハドソンの諸作や、すぎやまこういち氏が音楽を手掛けた「ドラクエ」シリーズにおけるクラシックの要素の導入も見逃せない。「ゲーム・ミュージック」はまさに、電子音で統一された「なんでもあり」の「ごった煮」音楽であった(ちょっと、大袈裟過ぎましたかね?・笑)!)。
 

 というか、そんなこと考えず、理屈抜きに、単純に楽しめる所がいい!ホント、聴いているとワクワクしてくる。聴いていて、思わず恥ずかしくなる部分も、なきにしもあらずだが(笑)、私にとって、今でも大切な音楽であることは変わりない。「ハジ・レコ」、いや、ゲーム・ミュージック万歳!!!