雨の日と『ノース・マリン・ドライブ』と『No.1レコード』

雨音が辺りを包む
暗がりの部屋の中
私の抜け殻を見つけた

スクラップブック
ゴミに出そう

好きな音楽を敷き詰めよう

ピカピカの音盤から
埃臭いぬくもり
息づいている

雨の飛沫は
聴衆のざわめき

びしょびしょになっても
かまわない
部屋を飛び出して
顔を上げて
天に向かって
歌いたい

ノース・マリン・ドライブ(紙ジャケット仕様)

ノース・マリン・ドライブ(紙ジャケット仕様)

ワン・レコード(紙)

ワン・レコード(紙)





雨の日に、
表で顔を上げて歌を歌ったら、
濡れます(笑)。


【雨の日に部屋の中で聴いたらハマる二枚】


1)ベン・ワット『ノース・マリン・ドライブ』(1983年作品)
少ない音数の中に、
浮き上がるベン・ワットの声。
翳りのある乾いたメランコリーに包まれる。


2)ビッグ・スター『No.1レコード』(1972年作品)
特に、アルバム後半のアコースティック四曲。
アレックス・チルトンとクリス・ベルが一曲づつ
交互にボーカルを取る。
メランコリーの極み。
甘い痛み。
どの曲も軒並み美しく胸を打つが、
特にクリス・ベルが歌う『トライ・アゲイン』は
出色の出来。
でも明日になったら、アレックス・チルトンが歌う
『ギブ・ミー・アナザー・チャンス』が良いと言いそう(笑)。
甲乙付けがたい二人の才能を擁したスゴいバンドです。
(ただ、このアルバムでクリス・ベルはバンドを脱退してしまうのです…。)