ジョージ・マイケル!!

先週、仕事帰りに御茶ノ水ディスクユニオンへ、
ブライアン・オーガー(ズ・オブリヴィオン・エクスプレス)の
中古のHQCD
(=ハイクオリティCD。「限りなくマスター音源に近い音質のCD」だそう。)
を探しに行った。

最近、ブライアン・オーガー
('60〜'70年代に活躍したイギリスの鍵盤奏者。いまだ現役。)
に嵌っている。
元々好きだったが、今は完全に惚れている。
(最近は、仕事の帰りすがら、
ずっとこの人の作品を聴いている。)

『Brian Auger's Oblivion Express/Don't Look Away』

見よ!この白熱の演奏を!!
でもなんだか映像と音が微妙に合っていない気がする。
雰囲気はバリバリ伝わってくるので良いが。


ブライアン・オーガー、渾身の演奏曲をHQCDで揃えたい。
でも、金がない…だから中古で。
中古と言っても、ジャケットや盤の状態が悪い、
激安盤は買わない。
出物で、綺麗なやつがあれば、それを買うつもり。
定価の半額ぐらい出せば、マトモなのが買えるだろう。

中古コーナーを目指し、店内に入る。
入り口の新品CDコーナーにふと目をやると…

フェイス(コレクターズ・エディション)

フェイス(コレクターズ・エディション)

ジョージ・マイケルの「FAITH」じゃないか!!
次の瞬間、興奮して手に取っている自分が居た。

その日は予定通り、ブライアン・オーガーのCDを買ったのだが、
「予定外」のジョージ・マイケルのCDも買ってしまった。


この作品は思い出深い。
あれは1988年の冬、中学2年の私は、
試験放送当時の(FMラジオ局の)
J−WAVEが止めどなく流し続ける、
自分にとって未知の音楽の世界に魅せられていた。

『81.3』に目盛りを合わせ、胸をときめかせながら、
ラジカセにへばり付き、
怒濤のようにエアチェック(放送を録音すること)を
しまくっていた。

「おっ、これは…」と思う曲がかかったら、
すかさず録音ボタンを押す。
それを半日ずーっとやり続ける。
疲れるのも忘れ、録音ボタンから手を離さずに
待ちかまえる。
水面下からの引きを待つ釣り人のようである。

ラジオからの録音なので、金が掛からない。
自分で負担するのはテープ代くらいなもんで、
タダで録れるし(それでもテープ代とて懐が痛かった)、
聴いたことのない音楽が沢山手に入る…。
日々、興奮しながら録りまくっていた。
金がない上に、テープに次々録音していくので、
なんとか1本のテープでやりくりをしなければならない。
なので、余分かつ冗長な部分に新しい曲を被せていく。
そんなことを繰り返すうちに、
私のテープは、自分の気持ちいい部分しか入っていない、
つぎはぎだらけの録音物と化していった…。


こうして、気持ちいい曲は沢山手に入れられたが、
テープに録ると、音がモコモコした感じになり、
輪郭がぼやけて、どうしても最初にラジオから
流れてくるハイファイな音質から
残念ながら程遠くなってしまうのだ…。
いい音で聴くにはCDを買うしかない。


よし!高いけれどなんとかCDアルバムを買おう…。
好きな曲はいくつかあるが、
それが一枚に沢山入っていたら丁度良い。
その時、CDシングルは何枚か買い求めては
いたが、その中でもジョージ・マイケル
シングルを3枚所有していた位、大のお気に入りであった。
アルバムを買えば、シングルカットされていない曲も、
まとめて聴ける…。

ジョージ・マイケルの「FAITH」は
恐らく私が初めて買ったCDアルバムだ。
その後、訳あって手放してしまったが、
今でもここに入っているいくつかの曲が
頭の中を訳もなく駆け巡る。



(続く)