希望のゆくえ・・・

ほんといつ観ても沁みる映画です・・・。


 この作品を初めて観たのが高校生の頃だったが、今と同じように・・・ていうことは、自分はその頃からメンタリティが全く変わっていないということなのだろうか?まあ、そんなことはいいとして(笑)、主人公の、都会に身を置く中、人とのやりとりの中での自爆っぷりが妙にグッと来たりしていた・・・妄想や強迫観念が迫ってくる感じもまさにそう!


 要は、現実と理想のギャップにさいなまれる、というか、その中で右往左往している(それも、頭で考えてるだけで、結局は何もしていないで終わる・・・)所に当時の自分は(今も)とても共感したのである。今はここまで孤独感に打ちのめされてはいないが、人の中で感じる空虚さは今でもよくわかる(わかるって、こちらが勝手に解釈してるだけですから!)。


 この映画を観てると、主人公ジョーの相棒ラッツォ(ダスティン・ホフマンですよ!)のあこがれの地マイアミ(映画の中で、希望の象徴として扱われている)にも行ってみたくなるんですよ!現実の寒々しさからか、かの地が妙に眩しく見えるんですよね・・・。


 そして2人は、最終的には(状況に迫られて、だが・・・)、ラッツォの念願だったマイアミに向かうのだが、その途中に寄った休憩地、空中バレーそこでジョーは、今まで着ていた重々しいカウボーイ・ルックを脱ぎ捨て(ブーツもゴミ箱に捨てて)、気持ちも軽やかに、現地で買ったアロハシャツに着替えるのである。そのバックに流れていたのが、ニルソンの「うわさの男」(元はフレッド・ニールの作品。右写真は(この曲収録の)ニルソンの「空中バレエ」(1969年作品))。個人的には、陽光に溢れた街で、”希望の光”に包まれるようなこの場面が、この作品の一番のハイライトであります・・・ここでいつも泣くんですよ僕の場合。


 でも、現実も映画も、そう上手くはいかず・・・いや、上手くいかないからこの作品を見続けているのかもしれない・・・。それにしてもニルソンの曲、作品とフィットし過ぎ!!!歌うめ〜し!!!(話はいきなり変わるが)このアルバム(「俺たちは天使じゃない」(1975年作品))も最高だし!!!俺たちは天使じゃない優雅でリッチな気分になれますよ(でも、歌詞がシニカルの極み!!!この心地よいパラドクス、というか、なんか「はははっ・・・(顔ひきつり気味)」と空笑い(失笑ですね)してしまうような作品です)。


 まあ、いきなりニルソンの話にすりかわってしまいましたが(笑)、ストーリー(あのジョーとラッツォのやりとりが実にいいんですよ・・・よき友ですね!)、俳優、音楽、とどれもとっても素晴らしい作品であります!!!観たらブルーになるけど・・・でも、観てしまうんだないつも・・・。なんとも哀しい映画ですよ・・・。僕の心の映画です。