UPP「コンプリート・アップ」(編集盤・2004年作品)

 ジェフ・ベック・グループ〜BB&A〜ソロ作品の紙ジャケ再発めでたいですね!!!でもそれを横目で見つつ、違うCDを手にしてました・・・。


 「UPP」。このバンド名、初見で読めますかねぇ?俺ずっと「ユー・ピー・ピー」だと普通に思ってましたよ。・・・「アップ」だそうです。よめねぇ〜・笑。そんなことは音と関係ないからいいとして、単純に、音が気持ち良いです!プロデュース&ゲスト参加したジェフ・ベックのプレイも一聴して彼とわかるものだが、でしゃばり過ぎず、調和が取れていて、たいへん心地よく鳴っていますね。


 というか、この人たち(アップ)のすこぶるファンキーな演奏を聴くと、ブライアン・オーガー(オブリヴィオン・エクスプレスですね!)や、後発に登場し、ニューウェーブ時代にファンクではっちゃけまくるイアン・デューリー&ザ・ブロック・ヘッズといったバンドの音を想起させ、英国ホワイト・ファンクの流れの中で、彼らはけっこうポイントになる存在だったのではないか、と思わせる。それだけ、彼らの楽曲、パフォーマンスのクオリティは高い(いかんせん地味ですが・・・)。彼らの「ロンドン・イン・ザ・レイン」なんて、スタイル・カウンシルの「エバー・チェンジング・ムーズ」のようではないか(あれほどクールに疾走はしないが・・・。まあ、スタ・カンの方は、アイズレー・ブラザーズの「ザット・レディ」が元ネタ(ベタ過ぎですが・・・)と言われてるから違うか?)。でも、単純に、売れたわけではないから、やはり(当時においても)アップは知る人ぞ知る存在(ジェフ・ベックのファン以外には)だったのか?


Blow By Blow
 彼らの基調であるフージョン・ファンクのみならず、コーラス・グループ風のスウィートなものや、スライのように咆哮するファンク、ベックの名盤「ブロウ・バイ・ブロウ」(右ジャケ写)と地続きな、ストリングスを盛り込んだインストなど、共通のテイストでまとめながら、幅広いタイプの楽曲を聴かせるこのバンドがいつまでも地味な存在であることが誠に惜しいのである(この編集盤を聴いて、キーボード、ヴォーカルのアンディ・クラークの多彩な歌いっぷリに驚いて欲しい)。


 [※この編集盤は2枚組。Disc1の①〜⑦が1st(1975年)から、⑧〜⑮が2nd(1976年)から、Disc2はデモ音源集(製作年度不明)となっている。]