「END OF THE CENTURY」

 ラモーンズドキュメンタリー映画のタイトルである(11/27から公開)。宣伝サイトでの予告編動画に、思わずグッと来てしまった。


 バックで流されていた曲は、「Do you remember rock’n’roll radio」。その名も「END OF THE CENTURY」End of the Century(6枚目のアルバム(1980年)、フィル・スペクター・プロデュース作品)からの1曲である。僕はこの曲が大好きだ。そしてこのアルバムも大好きである。


 しかしこのアルバムは、ラモーンズ好きからも、スペクターマニアからも何となく(というか思いっきり?)軽視されている・・・。まあ、そんな声はシカトして。「Do you〜」や、ハートブレイカーズの名曲カヴァー「Chinise rock」などラモーンズテイストを活かした(といっても、スペクター風味たんまりではあるが)核になる曲がある中で、個人的に、特にキモな曲(「キモい」ではない(笑))なのが、「Baby,I love you」。オリジナル(1963年作品)は、フィル・スペクターがプロデュースしたロネッツ不朽の名曲である。そしてロネッツ、いや、スペクター作品の中で、僕が一番好きな曲である。


 ギター、ベース、ドラム、ピアノ、パーカッション、ハンドクラップそしてブラス(途中から弦楽器も)が一丸となってぶつかってくるような、ミッドテンポの分厚い音のロックンロール!!そこにあのヴェロニカの狂おしい歌声(この人、決して歌上手いわけではないが、とても心惹かれるものがある)!!この曲を聴くたびに、僕の心の中には、恋をした時の高揚感や胸の痛みなどが思いっきり渦巻いてしまう。まさに、音楽のマジックを持っている名曲だと思う。


 そんな曲をラモーンズが本家スペクターサウンドでお送りしてしまうなんて!!と、そんな事実だけでもグッと来てしまう・・・が、これはただスペクターのカラオケに、ジョーイが歌乗っけただけじゃん、と叫んでしまった人多数だったような、ラモーンズ色希薄の仕上がりである・・・。しかし、これはこれでとても素晴らしい。厚みを保ちながら、抑制の利いたスペクターサウンド(オリジナルと、アレンジはガラッと変わった)に、ジョーイのヘタウマ、しかし純粋で切実な歌声。イノセントな雰囲気をたたえた佳曲である。僕は好きです!ラモーンズmeetsスペクター、素敵じゃないですか!!(まあ、これが何枚も続いてしまったら、さすがにちょっと・・・。やっぱり、ラモーンズのキモは「1・2・3・4っ、がががが」これに尽きるっしょ!!)