『シンデレラ・リバティ』と『踊ろよベイビー』

クールスRC『シンデレラ・リバティ』。

(まるでヴォーカルグループな仕上がりのアレンジ。
 ロマンティックさが際立つミドルテンポのオリジナルver.)


もうね、この曲大好きなんです。
アメリカンポップスを完全に(感覚で)咀嚼して、
日本人の身体を通して出てきたものの中で、
最高峰なのではないか、と真剣に思っています。
(大滝さん、山下さんは「学究派」の最高峰としても。)

日本人の身体を通して、というのは、
アメリカンポップスの歌謡曲化」という意味です。

'50sアメリカンポップスと歌謡曲の絶妙なブレンド具合。
しかもシンプルで素朴ともいえる簡潔なメロディライン。

剣さんの歌い回しが、歌謡曲化に更に拍車をかける。

♪こほぉーの ひっとっときぃ
 たーのしめっ なぁあぁいぃっ
 (このひととき 楽しめない)

♪がらっすぅうのく つぅぅうでぇ
 おぅどぅろよへい しんでーれぇえぇらぁあぁぁ
 (ガラスの靴で 踊ろよ ヘイ シンデレラ)

'50sロックンロール唱法を軽くこぶしで解釈したような
歌い回し。剣さん歌上手いなあ。


クレイジーケンバンド率いる横山剣が若かりし頃、
在籍していたクールスRCの名曲。
作詞・作曲・歌唱全て彼の手による。

(アップテンポなバンドサウンドに変貌したスタジオライブver.。ロックンロール!!)


ところで、この曲を作るに当たり、下敷きにしたであろう曲が
ボビー・フリーマンの『Do you wanna dance?(邦題:踊ろよベイビー)』である。

ポコポコいってるパーカッションと力の抜けたボーカルが
素頓狂さを醸し出しているが、軽快かつロマンティックな雰囲気の
イイ曲。終始アッパーなメロディで押し通す。素晴らしい。

ちなみに「シンデレラ・リバティ」の歌詞には
「Do you wanna dance?」に出てくる単語が
いくつか使われている(「月夜の」「踊ろよ」など)。
この曲の雰囲気をうまく歌詞でも取り入れているのがわかる。

この曲は沢山のアーティストにカバーされているが
(ママス&パパス、ベット・ミドラー、ジョニー・リバースなどなど)、
私のお気に入りは以下の四つです。
みんな「らしい」カバーなところが好きです。


(デル・シャノンver.)

ビーチボーイズver.)


ジョン・レノンver.)


ラモーンズver.)